緑と光に包まれて。小下がりからはじまる清々しい暮らしのリズム。
東京都港区・麻布十番エリアのオフィスビルのワンフロアを住居としてリノベーションしたAさんご家族。 高い天井を活かした大きな窓と小下がりのあるユニークなリビングが完成しました。
都心で暮らすとしても大切にしたいのが、自然とのつながり。小さなバルコニーであっても、そこから緑が見えれば日々の暮らしが少し気持ちの良いものになるはず。
そんなときに大切にしたのが、バルコニーとリビングのつながり。今回リノベをされた
Aさん家族のリビングは、1年を通して楽しめるお庭と小下がりになったくつろぎスペースが特徴的。
小下がりによって目線が変化してバルコニーとの距離感が近くなったり、他の空間との切り替えがつくことでリズムが生まれていくのです。
リノベ前のストーリー
慣れ親しんだ空間を未来のために作り変える
東京都港区麻布エリアで、駅からも近い場所に位置するAさま邸。
旦那様のご実家で所有するオフィスビルのワンフロアを住まいとして使うことになり、リノベを決意しました。
リノベ会社を何社か検討した末に、スタッフと長年の知り合いだったことや、以前一度とある物件でトイレの改装をする工事をクーマで行わせて頂いており、そこでの信頼関係もひとつの決め手となったのだとか。
「オフィスビルなので一般的な案件とは違い特殊な構造だったことや、関係性もあって踏み込んだ提案をしていただけると思った」と旦那様。
メインの居室となる4階にはエレベーターが停車しない構造になっていたりと、ビル全体の構造や他フロアとの兼ね合いも含めての相談となりました。
こだわりポイント
窓や段差をうまく使ってユニークな空間を
外へひらけた大きく高い窓に、小下がりのソファ、光が差し込むキッチン。
新しい朝を待ちわびるかのような、生き生きとしたお庭の植物たち。
都心の喧騒を感じさせず、自分たちだけの時間を過ごせる場所とはこんな空間のことをいうのかもしれません。
「日当たりが良いとわかっていたので、お庭もつくって心地いいリビングを中心にしようということになりました」と旦那様。
初期段階からリビングを最優先に、居心地の良い空間に仕上げることを話し合っていました。
様々なプラン案がでるなかでピンときたというのが、リビングを小下がりにすることでした。
「一般的なマンションでは高さが足りず小下がりにできないから、この家でしかできないことをやろう」と意見が一致し、それを中心に計画を進めました。
家の中に心地の良いリズムが生み出しつつ、ユニークさをプラスすることができました。
お庭は様々な種類の植物を新たにいれて作り直し。リノベ前は小下がり部分までが日本庭園のようになっており、大きな石もたくさんあったのだとか。
リビングダイニングに対面するように配置したオープンキッチン。大きな2つの窓からは優しい光が差し込み、開放的な空間となっています。
窓が垂直ではなく少し斜めになっているなど特殊な構造だったこともあり、システムキッチンではなくキッチンを構造に合わせて造作することで、デッドスペースが生まれないよう設計しました。キリリと空間を締める黒は、優しい光とのメリハリが感じられます。
オープンキッチンのリビング側には戸棚をつけてお子さんのハンカチなど、ちょっとした持ち物をしまいます。お子さん自身も使える高さにあることもポイントです。
奥には段差をつけた充実のパントリースペースも。リビング側からは見えづらいため、ものをたくさん置いても気になりません。
キッチンからの延長でダイニング横の棚も造作で統一しました。ピアノ・ウォーターサーバーは入れるものに合わせて設計し、すっきりと収まっています。
旦那様のレコードプレーヤーと無数のレコードコレクションもぴったりと収まるように設計。アクセントに入れたアースカラーが気分を盛り上げてくれます。
3段ほどの段差をつけて小下がりのようにした寝室。旦那様も「リビングの開放感とは対照的に、すごく安心感があって朝は起きれなくなりましたね」と笑います。
キッチンからつづいて並んだ斜めの窓はベッドに光を注いで、朝も夜も外とのつながりを感じる豊かな時間を過ごせそう。
思い出話
Qumaとリノベの思い出語り
Quma リノベーションにしっかり時間をかけていただけた印象でした。提案を咀嚼してから、落ち着いた状態で打ち合わせをしていけたことが良かったなと思います。
奥様 ひとつずつ丁寧に見ていったな、と思います。
Quma 実際住んでみたらどうなるかわからないアイデアが生まれるのがリノベだったりもします。
だから、熟成してもらうようにじっくり考えながら決めていくんです。
奥様 できあがってみると、「思ってたより良い〜!」と感じましたね。
Quma 嬉しい!
吟味しながら考えて、どんどん良くなっていくのが実感としてありましたね。
旦那様 細かいところとかをすごい考えてもらったな、と僕も思います。
キッチン上の斜めの窓も、雨漏りの対策とかを将来的なところまで考えて相談できたりしました。
Quma ありましたね。長く住み継いでいくことになるであろう場所だからこそ、耐久性という部分もお手伝いさせていただきました。
奥様 給湯器と床暖とかのリモコンが並んでる場所のセンス良さとかも細かいけど好きです。文字が全然でてないんですよね。黄色いボタンみたいなのが目立ったりしてないの。
指定はしてないのに、私たちの好みをわかってくださってたのがすごいなって思ってました。
Quma 今後リノベを検討している方へのアドバイスはありますか?
旦那様 お金をかけるとこかけないとこのメリハリが大事かも。
家って毎日過ごす場所なので、ちょっとしたなにかマイナスポイントって日々蓄積して、身体に悪影響を及ぼす。お金をかけて暮らしやすくすることで、パフォーマンスをあげるものだなと思いますね。
Quma その通りですね。特に、最近は新型コロナウイルスの影響も受けて家にいる時間が長くなっているからこそ、自分たちの空間がどれだけ過ごしやすいかが大事。
旦那様 良い空間はつくろうと思えば際限なくお金をかけられるから、かけるべきところにはちゃんとかけてあとは、ほどほどに。
Quma 今回かけたのはどこでしたか?
旦那様 キッチンとリビングです。
キッチンの造作とか、壁を塗装で仕上げたりした部分はしっかりお金をかけましたね。
その後の暮らし
暮らしが変わっていくことを楽しんで
取材時にお二人目の出産を控えていた奥様。「休日の朝にキッチンにたつと、すごく気持ちが良くて、こころが豊かになりますね」と喜びの表情を浮かべます。
そんな奥様が驚いたというのが、仕事へ行く準備に娘さんの準備、家事を並行しなければならない朝の時間が長くなったこと。以前は忙しなく物事が進まないと感じていたのが、リノベをした後はモノの収納場所や導線も整ったことで「あれ?もう準備終わった!?」と驚くことがあったのだそう。
旦那様は、「子供たちとお庭の手入れを楽しみたい!」とのことでした。都心ながらもプライベートな空間で植物と触れ合えるのは貴重な教育機会でもありますね。
家こそ、自分たちで楽しめる空間。これから、このお庭から芽吹くAさん家族の物語は続いていくのです。