その床、その間取り、どうしてそうなった?先人たちの決定プロセスを細分化して見てみましょう。[女性ひとり暮らし編]
間取りも内装も自由度が高いリノベーション。それぞれの建材や素材などの細かいところまで自分の好きなように選べるのが醍醐味ですよね。でも、可能性が無限だからこそ、迷うポイントは必ずでてくるもの。 今回は、QUMAでリノベをされた2人の女性を例にとり、「床材何に変える?価格重視で既存のまま?」「予算に収まらなくなったとき、どうやって帳尻合わせしたの?」など、実際のエピソードや資料を交えて、どこよりも丁寧に細分化して紹介していきます。
目次
間取りの大きな変更点は、玄関からリビングへの導線をウォークスルーにしてクローゼットを設けた点。また、洗面とトイレを同空間にまとめて、キッチンはオープンにした。
その床、その間取り、どうしてそうなった?先人たちの決定プロセスを細分化して見てみましょう。[女性ひとり暮らし編]
どうやって自分好みの空間ができるの?[N様邸]
「専門知識がなくて大丈夫かな」などという心配をされていませんか。実際、N様はどのようにして無数にある選択肢からこれを選べたのか、解説していきます。
「リノベをしよう!」と話を始めていくとき、一番最初に全体のイメージや雰囲気を一緒に考えます。
「どんな暮らしを送りたい?」「今の住まいで困っていることは?」「譲れないポイントは?」「どんな時間を大切にしている?」などを聞いていきます。
今回のN様は、お気に入りの家具や雑貨が沢山あり、それらの写真を見せてもらいながらヒアリング。
写真以外にも、好きな雑誌や本、趣味などもお聞きします。N様に出していただいたのは、ブランドデザイナーなどを手掛けるRIEさんのスタイルブック。暮らしの道具やライフスタイルについて、素敵だと思うポイントも多かったそう。
このようにヒアリングする中で、お施主様の趣味嗜好や人柄、生活スタイルなどを知り、同じ目線に立って提案できるようします。
そうすることで、お客さんがリノベの知識を持っていなくとも、お施主様の価値観に沿って提案することができます。
また、N様の長年のご友人も一緒にQUMAとの打ち合わせに参加したこともありました。ご友人はインテリアや部屋づくりに詳しく、物件購入の段階から相談しており「Nさんは、こだわりや好みがあるけれど言語化したり人に伝える部分でつまづくかもしれない」と心配していたのだとか。
自分のことを理解している相談役の力を借りるのも自分好みの空間に近づくひとつの手かもしれません。
間取りや大枠が決まった後にやってくるのは内装や建材決め。選択肢と組み合わせが無限だからこそ、空間の中で自分の好みを反映しやすいポイントでもあります。
リノベには「選ぶ」タイミングがたくさんあるなかで、たくさんのサンプルに目を通して自分だけで決めるのは大変なことですよね。それぞれQUMAが好みや意図を理解したうえで、選択肢を絞ってから提案することがほとんどです。
今回はN様邸の床材を例にとって“決断のプロセス”をお見せします。
こんな風に、各社が出している無数の床材からお施主様の空間と予算に合ったものを提案しています。N様のヒアリングを終えて、お施主様・コーディネーター・設計士全員一致で「フローリングで間違いないよね」というようにとんとん拍子で話が進みました。
N様は素材感も大切にしたいと考えていたので、フローリングの中でも「複合フローリングではなく無垢フローリングだよね」、でも予算があるのでできるだけ価格の安いものにしたいから「無垢材の中でも比較的に価格の安い木材を使ってつくれないか」と検討重ね、下の資料のような3種類を提案したそうです。
↑実際の提案資料。
打ち合わせで、3種類のフローリングのサンプルをみながら話し合い、お持ちのアンティーク家具と特に合いそうなうアカシアという木材を使うことに決まりました。
結構あっさりと「うん。これ!」と決めていただいたのが印象的だったそう。ヒアリングに時間はかかるものの、お施主さんの価値観を全員で把握できていると、決めることが多いリノベーションもスムーズに進みます。
やりたいことと予算のバランス、どうやって合わせる?[N様邸]
相談を重ねて、やりたいことを詰め込むと最初にお伺いしていた予算を上回る見積もりになりました。実際、リノベはカスタマイズ自在だからこそ予算も無限大!見積もり額が予算を超えてしまうことはよくあります。
予算とやりたいことのバランスは、QUMAとスタッフも慎重に寄り添って進めるポイントです。
N様は物件購入価格とのバランスも考慮し「予算を超えない範囲でやりたい」とのご希望。
このような場合には、譲れないポイントや優先度を見ながら調整をしていきます。
ウォークスルーを例にとると、見積もりではオリジナルで造作して棚や扉を取り付ける案。
コストダウンするならば、クローゼット収納用の既成の建材をはめ込むパターンや、さらに扉をなくして見せる収納にすることでさらにリーズナブルな可能性も検討していきます。
その他も同じ様に、「この部分のこの建材をコストダウンするとこれだけ安くなり、コストダウンの中でも“松竹梅”のグレードがあります」といったように代替案を一緒に見ていきます。
N様も、数あるコストダウンの選択肢から「譲れない!」と感じていたステンレスのキッチンや、浴室乾燥機などのポイントは当初から考えていた理想的な案を採用することになりました。
大きな金額を出してリノベするからこそ、金額面に関しては慎重に決めていきますよ。
さて、次のひとり暮らし女性の例も解説していきます!
3つに区切られていた居室の壁を抜いてひとつの空間にしている。もともとリノベ済みだったため、キッチンなどはシートを貼って雰囲気を揃えた。
その床、その間取り、どうしてそうなった?先人たちの決定プロセスを細分化して見てみましょう。[女性ひとり暮らし編]
生活にフィットする造作収納、相談の仕方は?[T様邸]
大型の造作収納が特徴的なT様邸のリノベ。
自分のライフスタイルにも自分の好みにもどちらにも合う収納づくりは、暮らしやすさも叶えながら、部屋全体の統一感をつくることができます。
収納づくりの相談ではじめにお伺いするのは、今持っているもの。また、持ち物のなかでも玄関先に置くようなアウトドア用品が多いのか、洋服・バッグ・靴などが多いのか?
それらの物を、いつ、どのくらいの頻度で取り出して使うのか?を明らかに。
そうして必要なスペースを順番に割り出し、実際の使い勝手まで想像しながら検討していきます。
Tさんの場合は、スポーツをされるということで、スノーボードにサーフボード、ゴルフバッグなど大きめの荷物もしまえるように玄関収納を確保し、キッチン横の居室のクローゼットも活かすことにしました。
相談のなかで「賃貸によくある一般的な収納はつまらない」と言っていたTさん。当初はリビングダイニング側の収納は各メーカーが出している既成の収納建具を入れる予定でしたが、何度も打ち合わせを重ねたのち最善策として造作でつくることに。
・「無機質」「シンプル」
・テレビはベッド側からも、ソファーを置くダイニング側からも見えるように置きたい
・リノベを機に物を減らし、入ってくる情報も減らしたい
・開けたままにしておけるから、開き戸よりも引き戸
・大きな季節もの(毛布や掛布団など)の収納場所も確保
これらのキーワードや要望をもとに、設計士とコーディネーターと一緒にベストな形を模索しました。
造作する収納のどこにどんな機能を持たせるといいのかを、1つずつ検討していきました。
「棚板をたくさん作っておけば心配ない!」と言って費用がかさんだり、かえって物が増えてしまうのを避けたかったTさん。最小限で一番使いやすい形を追求。
引き戸の建具は、既存を活かすことになったフローリングと馴染む色に塗装して仕上げることに。洋服をかけるハンガーバーも、既製品の金属製ではなく手すりとして販売されている木製のものを採用し、造作収納と同じ色に塗装しました。
また、上部には間接照明設けて、落ち着きのある空間になりました。
最終段階の造作収納資料。当初はベッド側まで全面を収納にする予定だったが、空間の開放感や予算などを考慮して2/3に収めた。
ひとつひとつを決めて作るため、住み始めたあとに収納家具を買い足すことがなくなるのも、リノベならではのポイントです。
その床、その間取り、どうしてそうなった?先人たちの決定プロセスを細分化して見てみましょう。[女性ひとり暮らし編]
家族との同居を考慮したい、間取りどうする?[T様邸]
家を購入する際には住宅ローンを組んで毎月支払いながら返済していく人がほとんど。そのため、30年〜40年先のこと、先の人生のことを考えることになります。いわゆる「ライフプラン」などと言われることにも近いですね。
そのようなことを考えた時に、住まいにはある程度の余白があることが気持ちの余裕にもつながります。
もともとの間取りでは一番奥に3畳ほどの居室があったT様邸。
「いつか親と一緒に住むかもしれないです」ということを相談してくださったTさん。当初の希望でも「個室が欲しい」と話していました。
相談では、実際に住む際に追加できることや、その費用感をお伝え。「それならリビング広くしたいです!」と、3枚引き戸はリノベで取り去ることになりました。
また、既存の壁を取ることで窓から採光ができるようになり、全体もキッチンも明るく通気もよくなるというメリットもありました。
まとめ
リノベでは、床も壁も収納も…それぞれのポイントで多様な選択肢があるからこそ、究極の選択に迫られることも!特に、「自分が暮らしやすい空間ってどんな空間?」と考えていけばいくほど、悩むことも増えるかもしれません。
でも大丈夫。QUMAでは「あなたにとって本当に気持ちよく思える空間か」ということを大切に、沢山のお施主さんと一緒に考え抜いて決断をしてきました。
どんな小さなことでも、気軽に相談しにきてくださいね!