新築購入から10年。暮らしの癖に合わせて収納設備からリセットするリノベ。
街の雰囲気やお店を気に入って暮らしている人も多いと噂の、西荻窪エリア。10年前からこの街で4人暮らしをしているTさま家族。まるで暮らしをリセットするかのようなリノベを経て、念願の子犬を迎えることもできました。
── 新築から10年。
食べて寝て起きて、物を買い、捨てて……子どもは身長が伸び、わたしたちは歳を重ねる。
繰り返される日常も、スタートから長い時間が経つと気づかないうちに物が溜まり、散らかっていること自体に慣れてしまうなんてことも。
家族や暮らしのことは、毎日の延長にあるからこそ「なにかを変えなければならない」という意識があっても自分たちから変わっていくのが難しいものです。何から手をつけていいか、わからないこともありますよね。
今回のTさんご家族は、そんな課題にとことん向き合い、暮らしのリセットに成功したもようです。どんな暮らしぶりになったのか、覗いてみましょう。
水回り以外をリノベ。収納設備をしっかりと作り込みながら、お子さんも含めた家族それぞれの生活に合わせて部屋の大きさを変えました。
リノベ前のストーリー
気づけば溜まっていた不満を解決へ
1人目のお子さんが3歳だったころに購入したという今回のお家。今はお子さん2人とご夫婦の4人暮らしです。「長男が中学生になるまでに個室の子ども部屋を用意する」ということを決めていました。入学も近づいたころ、住み替えやリフォームを検討し始めたのだそう。
一戸建てへの住み替えも考え、物件価格を査定したりと本格的な検討もしていました。ところが、今後のローン返済のことや駅近で便利な点も踏まえてリフォーム・リノベに気持ちが傾いていったそうです。
Qumaスタッフがお宅を訪ねたときを振り返り「大掛かりなことを提案してくださって、最初は『そこまでやる必要あるのかな?』って疑問だった。でも、話してるうちに、どんどん楽しそうじゃんってなって。実は気になってた天井の高さとかも変えられることを知って、リノベを決心しましたね」と語る旦那様。
特にリノベのきっかけとなったのが、家族みんなが課題に感じていた物の量に対する収納の少なさ。コロナ禍のステイホーム期間には家族全員が家で過ごす時間も増え、暮らしの不満も募っていました。
リノベ会社選びは、奥様が知り合いづてに「リノベならQumaがいい」と別の数人から聞いていたこともあり、迷いはなかったのだとか。実際、担当したスタッフと共通の知人もいたという嬉しいハプニングもありました。
こだわりポイント
物が多くても散らからないシステムをつくろう
完成したLDKは、収納やキッチンなど木材をベースにし、天井はコンクリートあらわし。気張らずにいられる、居心地の良い空間になりました。
担当設計士からインテリアのコーディネートもさせていただきました。アウトドア用のチェアや低いクッションソファーで圧迫感はなく、可変的なリビングです。
リノベの目的のひとつでもあった大型の造作収納。LDKの壁一面をつかって天井まで余すことなく物が置けるように設計しました。
これまでは棚を置いたり、一部屋を納戸として使ったりしながらも物が溢れてしまう状況でした。「10年の間に、とりあえず家具を買い足していたので、雰囲気もわからないまま置いてハチャメチャだった。それを、リセットしたかったんですよね」と奥様。
リノベを機に、「いつどこに何をしまうか」という生活の導線までを視野にいれながら設計を相談していきました。
暮らしに合わせた設計ポイントのひとつが、家族4人分のランドリーボックス。
以前から、洗濯物は「洗濯機に入れる→洗濯乾燥→4人それぞれのカゴに入れる→各々そこから回収する」という流れで回していたというTさん家族。この流れを、よりスムーズに散らからないようにするために、LDK入ってすぐのキッチン横にスペースをつくりました。キッチン、洗面室にも近くて家の真ん中なので、家族の誰もが出し入れしやすい動線ができました。
すぐ横には今までキッチンからはみ出ていたゴミ箱用のスペースも設えました。
リビングから2つの扉を開けるとお子さんたちのプライベートな部屋が。それぞれに個室を設けることも、今回のリノベのもうひとつの目的でした。しかし、部屋を分ければ2段ベッドは使えない、でもベッドをそれぞれ床に置けば床の面積が狭くなってしまう……。そんな問題を解決したのが互い違いになった別部屋2段ベッド。
子どもたちのことを考えて防音性能のある内装材を使っているので、兄妹の良い距離感を保てそうです。
「住み心地がいいらしく、全然部屋から出てこなくなっちゃいましたね(笑)家大好きになって、友達呼んでも恥ずかしくないみたい。よかったです」と得意げな旦那様でした。
ダイニングテーブルは、2枚に分かれた天板をキッチンからダイニングにL字に伸びる支えの穴にはめ込んで使える、優れもの。カウンターにしてくつろぎスペースを広げれば映画鑑賞会に、ダイニング型にすれば家族で鍋を囲む食卓になるのです。
奥様が新卒時代に思い切った価格で購入したという、思い出のテーブル。ユニークな発想で自由形のダイニングに転生してしまいました。
ご夫婦の寝室は壁にも木材のあたたかみを感じる、落ち着いた雰囲気に。ワークスペース横には仕事でよく使うような書類や本を入れられ、快適な仕事環境ができました。
思い出話
Qumaとリノベの思い出語り
Quma 相談しているなかで、いくらでも暮らしの不満がでてきていましたね・・・。やはり、4人での暮らしの長くなっていてそれぞれの癖がわかっているからこその悩みがあるというか。
奥様 最初は棚をつくるだけでいいかなって思っていたはずだったんです。でも、話してみると家事の導線の不満とか沢山でてきて。それを提案につなげてくださったので、これを機にやろうというのはありましたね。
旦那様 僕は、凸凹と突き出す梁とかがすごく嫌だったり。
実は気になっていたことが沢山あったんです。
Qumaさんが家に来たら、イメージを描かせるのが上手で、別で相談していた家具屋さんとは対照的でしたね。どうせ住むなら我慢したくないね、ということで進んでいった。
Quma 最初うかがったときに納戸にしていた部屋で、本棚の棚板が外れたまま上に違う本が積み上がっていってて「こんまりさんの弟子が知り合いにいるんで紹介しましょうか〜?!(笑)」って話をしたり、収納の仕方から意識を変えないといけないのでは・・・?なんて思っていました。
旦那様 その日、すごく反省しましたよ(笑)
奥様 ふふふ・・・。
Quma 実際にお住まいの家を見ながら相談させていただけることって中々少ない(多くが購入と同時にリノベのため)ので、その点はよかったですよね。ひとつひとつのことを暮らしに合わせて検討できた。
旦那様 そうですね。
Quma キッチンを既存の向きから変える案もあったときに、ぽろっと「キッチンの向き変えると、じわじわ物がリビング側に出てきちゃう気がする」と仰っていて、そこは設計士と相談して向きを変える提案をやめることにしたり。これまでの暮らしぶりからわかることが沢山あって、よかったですね。
奥様 やっぱり棚はつくってよかったですね。物は多いけど「棚に収まっていれば別にいいかな」みたいな感覚で、部屋としての空間が保たれている。
旦那様 子ども部屋をつくったら家にあるもの全部収めるのは無理じゃない?と思っていて、倉庫を借りないといけないと予想していたけど、借りなくて済んでよかった。
Quma 収納しなければいけないものを把握したのもかなり進歩でしたよね。
奥様 断捨離もしたし!すっきりです。
奥様 あと今回は、部屋に置く観葉植物もQUMAさんの紹介で植物屋さんにコーディネートを頼めました。
旦那様 リノベに合わせて細かいところまでプロに見てもらえて、自分たちの家に合わせたものを提案もらえるってすごくいいなと思います。
奥様 そうだよね〜。
Quma 植物屋さん、普通の引っ越しぐらいだったら中々ない機会だと思うので、みんなにおすすめしていこうかな。
総じて同年代ってこともあって、話しやすかった。ありがとうございました!
その後の暮らし
リノベで味をしめました!
リノベを機に、念願だった子犬を迎えることができたTさんご家族。
旦那様は「子どもに、将来の話とかしたとき仕事なくてもこの家があるから大丈夫だよ、って言えるので人生に安心感がプラスされたんじゃないかなって考えつつ、巣立ったら子ども部屋の壁をぶち抜いてリビング広くしちゃおうかな〜って計画もある!」と楽しそう。
それに対する奥様も、「変えられるって知っちゃって、叶えたかったことはリノベで叶えられたんだとわかった。味をしめたような感じです。狭さ・広さじゃなくて、導線とか変えるほうがいいんだって思いました」と納得の表情をみせていただきました。
また10年後に、課題が山積みになっても大丈夫です。いつだって、この場所で暮らしはリセットできるのだから。