アイランドキッチンのメリット・デメリットは？リノベーション費用と注意点

アイランドキッチンという言葉はよく耳にしますが、実際はどのようなキッチンなのか、ほかのキッチンとの違いも交えてご紹介します。

アイランドキッチンとは、「アイランド(Island = 島)」という言葉のとおり、シンクや作業スペースが、壁から離れた場所に「島」のように配置されているキッチンをさします。

360°どこからでもアクセスできるのが特徴で、作業しやすく、リビングとの間に壁がないため開放的な雰囲気のキッチンです。

キッチンには、アイランドキッチンの他にも種類があります。
いずれも、「キッチンがどのように壁と接しているか」によって種類がことなります。

アイランドキッチン
キッチンのどの面も壁に接することなく独立しているキッチン。全方向からアクセスすることができる。キッチンのスペースに余裕が必要。リビングにいる人とのコミュニケーションも取りやすい。

ペニンシュラキッチン
左右どちらかが壁に接しているキッチン。アイランドキッチンに比べると開放感は少ないが、限られたスペースの中で、ゆとりある空間のキッチンにしたいときに最適。

壁付けキッチン
キッチン本体の背面が壁付けになっているキッチン。作業スペース以外のゆとりはないが、少ないスペースを有効に使えるキッチン。壁の方を向いて作業するため集中しやすいというメリットもある。

ほかのキッチンとの違いも分かったところで、アイランドキッチンならではのメリット・デメリットをもう少し詳しく見てみましょう。

アイランドキッチンは壁から独立しているため、360°全方向からアクセスすることができます。そのため、配膳も片付けもスムーズ。大人数で作業をするときにも動線が重なって困ることもありません。家族や友人と一緒に料理を楽しめます。

壁から独立したアイランドキッチンは、好きなレイアウトを選べるのも魅力。壁がないため明るく、キッチンのとなりのリビングにいる家族ともコミュニケーションが取りやすく開放的です。

狭いスペースにアイランドキッチンを設置してしまうと、動線のスペースが必要となり部屋として使えるスペースが狭くなってしまうこともあります。キッチンだけを見るのではなく、部屋全体のバランスを見ながら考えるとよいでしょう。

また、アイランドキッチンは壁がないため、キッチンが散らかっていたり汚れているとリビングやダイニングから様子が丸見えになってしまう点には気をつけましょう。油はねや臭いが広がりやすいというデメリットもあります。

アイランドキッチンの違いの特徴をよく理解して、自分にあったキッチン選びの参考にしてみてください。

実際にアイランドキッチンへリノベーションする際に気になる費用について具体的にみていきましょう。

アイランドキッチンへリノベーションする際にかかるのは、「キッチン本体の費用」と「設置交換する費用」の2種類があります。アイランドキッチン本体の相場は、100〜200万円ほど。この金額には以下のものが含まれています。

　ワークトップ（作業スペースとなる天板）
　シンク（流し台）
　水栓（浄水器も含む）
　レンジフード（換気扇）
　収納各種（上部収納、下部収納）

つづいて工事費用についてみてみましょう。

工事規模や範囲によってことなりますが、以下の工事項目を含んだ相場は30〜50万円ほど。

　仮設工事（養生・工事後のクリーニング費用など）
　解体工事（既存キッチンの解体・撤去など）
　付帯工事（設置周辺の補修・補強工事など）
　木工事、電気工事、設備工事、内装工事

キッチン本体の価格と合わせると、130〜250万ほどとなります。
ただし、キッチン設備の交換だけでなくレイアウト変更が必要な場合は、追加で配管工事費用などのコストが余計にかかるため、事前によく確認しましょう。

アイランドキッチンへリノベーションする際には、事前に知っておきたい注意すべきポイントが3つあります。

1つ目は、「給排水管やダクトの位置の確認」です。

キッチンのレイアウトを変更する場合、配置場所に合わせて給排水管やダクトの位置を変更するのですが、設置の際には下部に配管用のスペースが必要になります。
マンションによっては、配管がコンクリートで固められており移動できないことや、床下にコンクリートが敷き詰められておりスペースがないこともあります。

マンションの給排水管やダクトの配管構造は3種類（以下の図を参照）あり、構造によって可能なキッチンレイアウトが決まってくることがあるので、よく確認しましょう。

また、そのままではレイアウトが難しい場合でも、配管スペースを作るためにキッチンコーナーの床下の高さを上げるやり方もあります。この方法では、キッチンとほかの部屋との間に段差が生じ天井高が低くなる点にも注意しましょう。

物件探しから行うリノベーションの場合、「どうしてもアイランドキッチンにしたい」など希望があるときには、アイランドキッチンにリノベーションできる物件かどうかを施工会社に確認したうえで購入しましょう。

2つ目は「電気容量」です。キッチンリノベーションの際に、ガスからIHコンロに変更したり、食器洗い乾燥機の設置を希望したりすることは多いです。

マンションの場合は、各住戸ごとに供給される電気容量が決まっていることがあるので、電気容量に問題がないか、事前に確認しましょう。

3つ目は「マンションの管理規約の確認」です。

マンションの管理規約によっては、専有部分であっても壁の取り壊しなど工事内容を制限していることがあります。

管理規約をクリアできたとしても、マンションの構造によって行えるリノベーション工事が限られることがあります。

マンションの構造には、柱と梁で支える構造（ラーメン構造）と、床・天井・壁の3つで建物を支えるような構造（壁式構造）があり、ラーメン構造は間取り変更の制約が少ない一方、壁式構造は自由に壁を取り壊せないケースも多いため注意が必要です。

リノベーション工事に詳しい施工会社では、以上の項目を事前にしっかりと確認してから工事の提案を行いますので、施工会社がきちんとチェックしているかも分かると安心です。

ここからは、QUMAでお手伝いしたアイランドキッチンのリノベーション事例をご紹介します。どのキッチンからどのようにレイアウト変更したのかにも注目してみてくださいね。
　

もともとはペニンシュラキッチンで、リビングからは独立した空間となっていたキッチン。「キッチンは、孤独な空間になりがち。キッチンに立つ人が孤独にならず、リビングでテレビや会話を楽しみながら家事をできるようにしたかった」という奥様の希望を叶えるべく、アイランドキッチンを選びました。

天板を大きめのサイズにしたことで一度に複数人でも料理ができるなど、孤独さをまったく感じないキッチン空間に仕上がりました。フルステンレスでとてもスタイリッシュなキッチンです。

　

壁付けキッチンだったお住まいから、アイランドキッチンへ変えたお施主様。キッチンの機能にこだわるよりも、意匠性を重視して選ばれたそうです。

天井につけたウッドルーバーが空間のアクセントに。広くて使いやすいキッチンでお料理もはかどりそうですね。

　

もともと壁付けだったキッチンから、アイランドキッチンに変更した事例です。こちらの事例のポイントは、キッチンをリビングダイニングと垂直方向に配置したこと。
お料理やお菓子づくりをよくするという奥様が、集中して作業できるようにとこの配置にたどり着きました。

キッチンとして独立した空間でありながら、リビングへと自然につながっていく空間になっています。

さまざまなキッチンをみてきましたが、あなたの理想のアイランドキッチンは見つかりましたか？一言でアイランドキッチンといっても、理想のキッチンの形はさまざま。QUMAでは、あなたのライフスタイルに合ったアイランドキッチンをご提案します。

またQUMAでは、既製品ではなく世界でひとつだけの“オリジナル造作キッチン”も手がけています。まずは、どんなキッチンがよいかを一緒に考えてみませんか？「もっとたくさんの事例を見てみたい」などのご希望も喜んでお待ちしています。ぜひ、お気軽に相談してみてくださいね。