ひろびろ23畳のLDKに重厚な色づかいでつくる、堂々とした暮らし。
西東京に位置する国分寺のマンションで2人暮らしを楽しむのはY様夫妻。 とことん広く確保したLDK空間は、なんと23畳分。 タイルとフローリングをかけ合わせた床に、大胆に配置したステンレスキッチンが見どころです。
中古マンションリノベーションでは定番となりつつあるのが、
居室の壁を取り払って、広々としたLDK空間をつくること。
時代と共に一家族の人数が減り、住まい選びの優先度は
「居室の数<リビングの過ごしやすさ」にシフトしていると言えます。
ならばリビングでどんな時間を過ごせたら、もっと自分らしい暮らしに近づくでしょう。
家族で囲む食卓をもっと賑やかな時間に
キッチンで作業する時間を快適にしよう
子供がのびのび遊べるような安全な空間
在宅勤務で良い距離感を保ちたい
こんな風に、リビングで暮らす自分たちにどんな時間や空間がほしいのか、想像するといいかもしれません。
今回は、堂々としたリビングをかまえたYさん夫妻のリノベーションを覗いてみましょう。
リノベ前のストーリー
悠々自適な暮らしを中古マンションで叶える
注文住宅領域でお仕事をされる旦那様と、2020年出産予定のアパレル関連に勤めていた奥様。
なぜリノベすることになったのですか?と伺うと「お互いに住まいにはこだわりがあって、好きなデザインも似てたりしてて。リノベの雑誌を見て、『いいね、こんな家に住みたいね』って言ってました。やっぱり、自分達の好きな空間を我慢や妥協せず実現できるのが大事でしたね。注文住宅も都内だと大開口大空間のリビングと好きなデザインを両立し難いので」と語る旦那様。
旦那様ご自身がマンション暮らしで育ったこと、階段での登り下りがないという点でマンションを選んだそう。戸建てと同じ広さぐらいのマンションを郊外エリアを中心に探していくことになりました。
毎週末1日5軒×4ヶ月というスケジュールで、千葉の稲毛から逗子まで見て回ったというおふたり。なんともストイックな家探しです。
アクセスも良いエリア内で、広さと価格のバランスを加味していくと気づけば西へ西へ進んで、国分寺に落ち着いたのだとか。
国分寺で出会った今回のお部屋は、96平米の広さ・周辺に自然がある・南東向き角部屋で日当たり良好と、条件に当てはまったことで最終候補に。
「子供の頃に、暗い路地を抜けないと家に辿り着けなかったのが嫌で。駅から怖い道を通らずに、誰でも通る道で帰れるのがよかった」という奥様の意見もあり、この物件でのリノベを決めたそう。
こだわりポイント
落ち着くリビングは素材の色づかいから
雑誌などで情報収集をしたおふたりが考えたベースイメージは、美術館のような家にすること。重厚感のある素材を選び、落ち着きを感じさせるリビングが完成しました。
十分な広さをとったリビングは、おふたりが一番こだわった空間。
「実家にいたときも、日中はリビングで家族の気配を感じながら過ごしていたから、リビングにいる時間が長いからこそ良い空間にしたかった」という旦那様。暮らしのバックグラウンドも今の家づくりに大きく影響しているようです。
主役は、LDKの真ん中に置いたフルステンレスキッチン。まるでステージのような佇まいがこの空間を引き立てます。
フルステンレスキッチンは、スタイリッシュな見た目に加えて耐久性などの機能面も充実し、リノベでは人気のチョイスです。
「キッチンは、孤独な空間になりがち。キッチンに立つ人が孤独にならずにテレビみたり、リビングにいながら家事ができるようにしたかった」とキッチンへの思いを口にした奥様。
天板を大きめのサイズにしたことで一度に複数人でも料理ができたりと、孤独さを全く感じないキッチン空間に仕上がりました。
床はタイル張り。リビングスペースにはフローリングを敷いています。
「ある程度のチョイスを見てこれで!とか投げちゃう人も多いと思うんですけど、こだわりたかったんです。建材メーカーさんとか色々なショールームに行って、ひとつのメーカーに100種類以上あるのを全部チェックして、サンプルもらったりしましたね。」とこだわりを語ってくださった旦那様。
色はコンクリートよりで、かつ統一されすぎない自然の石のようなテイストがお好み。同系統の選択肢のなかでもコストパフォーマンスに優れていたことが決め手となりました。
空間を引き締めすぎずに心地よさを感じられ、リビング空間にも馴染んでいます。
フローリングもタイルと同じく、明暗に差があるものを気に入って選んだそう。
「一時期は、でかけてもオシャレなお店の床ばかり見てたね。」と振り返るおふたりなのでした。
フローリングとタイルの境目の「見切り」には、ゴールドを採用しました。
空間の高級感は損なわずに、主張しないことがポイント。細部の少しの違いで全体の印象が変わることが改めて感じられます。
Qumaのリノベでは、こだわりたい部分にとことんこだわることを手助けするスタンス。ショールームやメーカーをとことん紹介します。
リビング空間のみの天井に張った板は、 空間に個性をだすひと味として提案。ライトレールを四角形に張り巡らすことで、ギャラリーのような雰囲気を強めます。
プラン全体でのポイントは、洗面以外の居室にある窓を活かして採光を考えたこと。
ひとつは、寝室から廊下へと光を送る内窓。向かい側の小上がりへも光を通します。ふたつめは、子供部屋から玄関先へと光を入れるためガラス面を大きくとったドア。
マンションでは暗くなりがちな奥まった空間に、しっかりと光を入れることで全体の開放感を担保しています。「日中は玄関先で電気が必要ない!」とお二人も納得のご様子なのでした。
大規模な収納スペースを確保すること、客間を構えることの両方を叶えることができた、小さな小上がりスペース。
寝具や楽器など大きなものをしまう場所として活用しつつ、親戚や友人の宿泊スペースにもなっているのだとか。重厚な空間に、和のテイストが加わることであたたかみを感じられるポイントです。
洗面は広めのボウルに蛇口を2つ付け、夫婦で身支度の時間がかぶっても心配のない仕様です。
バスルームも広めに確保し、洗濯機上にはポールを備え付け。これにより、洋服を洗濯機から取り出してそのままハンガーにかけることが可能。カゴに入れ替える動作がなくても済み、快適な生活動線をつくっています。
寝室はシンプルになるように、とベッドと飾棚のみ。横にWICをかまえることで、お客さんが来ても目に入らない収納スペースをつくりました。見た目を気にせずたくさん詰め込むことができる場所です。
玄関先から廊下空間は統一感を意識し、ネイビーでまとめました。玄関収納と扉は既存のものにシートを貼って利用することでコスト削減も。
思い出話
Qumaとリノベトーク
Quma リノベを今後検討される方に、アドバイスなどはありますでしょうか。
どこから決めたらよかったとか、なんでも大丈夫です!
奥様 知人でリノベ会社を探していた方がいたんですが、「知り合いがいて安くしてもらえるから」と言って始めたけど、予算も意見もしっかり聞いてもらえなかったっていう話を聞いたりして。
リノベするときは人との相性が大事な気がします。
私はもうQumaさんじゃなかったら、この部屋は絶対にできてないと思う!
旦那様 ちょっと検討したところでこの素材に決めちゃおう、的な決め方をしていっていたら、諦めなきゃいけない流れになる部分もあったんだろうなって思いますね。
奥様 そうだね。これさえできたら何でもできるんじゃないですか!
旦那様 やっぱり、どうしても会社によっては「この中から選んでください」ってなったりするので、床材も自分たちで色んなものから選べたのはよかったね。
奥様 提案も押し付けじゃなく、新たな提案だけど意見に沿ってるとかね。
Quma おっしゃるとおり。本当に、自分たちの願望と提案の相性は大事といわれます。
旦那様 こだわりがあったり自分の実現したい空間があるなら、とことん相談乗ってくれるところを選ぶべき。
「時間かけずにおしゃれな家に住みたい、どんなデザインかはある程度任せる!」みたいな感じなら、リノベ済みのところ買ったりとか、工数少なくできる会社さんが向いているかもね。
Quma 今回はQumaとの相性が合って本当によかったです!
明確なイメージを持っていればいるほど、しっかりとそのイメージが伝わって形にすることができるまで、会社探しは怠るべからず、ですね。
旦那様 ですね。
いろんな本や雑誌をみることと、ショールームへは行ったほうがよさそうですね。
そこで良い気づきとか「こういうのがあるんだ」ってイメージできたので。今思えば大変でしたけど、楽しかったですね。
奥様 あとは譲れないポイントってあるじゃないですか、そこはとにかく譲らないほうがいいですね!
できないって言われても、絶対できるって思ったほうがいいというか。
アイランドキッチンも「水道の配管の関係もあるし、アイランドは向いてない」とか、「できない」っていろんな会社さんでは言われてたんですよ。でも、実際できてる。
諦めてやってなかったから…と思うと、やっぱりよかったです。
Quma アイランドキッチンは、こちらも調整をがんばりましたね。
奥様 ありがとうございました。
旦那様 よかったです、本当に。アドバイスというと、そのぐらいかな。
Quma ありがとうございます!
その後の暮らし
やっぱり、リビング。
取材の最後に聞くのは「おふたりがこの家で過ごす好きな時間は?」という質問。
旦那様はやっぱり、リビングで過ごしている時間が好きなのだそう。
「ソファーに座ってぼーっとしたりとか。在宅勤務になったときも、会社よりもリビングでパソコンをひらいて仕事してる時間のほうが全然いいですからね。リビングにいる時間がいいですね」とのこと。
奥様は、「私はキッチン。すべてが苦じゃなくなりました。
今まで、キッチンは『あー洗い物しなきゃ』『料理やらなきゃ』っていう気持ちだったんですけど、今は“ながら”で全部できる。リビングにいるのと変わらない状態で作業できるのでそれが気に入ってます」と語ってくださいました。
自分たちのこだわりを実現して暮らす楽しさを知ったおふたりなのでした。