選りすぐりの黒いキッチンが映える大人なリノベーション。
物件から、壁・床・キッチン…ひとつひとつの部屋の大きさまで…… たくさんのポイントを悩んで考えて、とことん吟味したお二人。 恵比寿の町にもぴったりな黒が際立つ大人な空間が出来上がりました。
まとまったお金をかけた買い物になる、マンション購入とリノベーション。
それぞれ、じっくり検討してベストな選択をしたいですよね。
だから、沢山の選択肢を前にすると「コスパ重視?デザイン重視?機能重視?」なんて迷いに迷って、想定外の時間が経ってしまうことも。
実は、リノベを始めてみたら賃貸物件では気にも留めなかったことへ目がいく人がほとんどです。スイッチの場所はあと2cmこっち!とか、壁がもう10cmこっちに来てほしい!なんて……。
無限の可能性があるからこそ、選択を続けているうちに「疲れてしまった!」なんてことも。
仕事の忙しさや、結婚式の準備が重なったりすることもあります。
それでもひとつだけ確かなのは、妥協しなければ長く愛着をもって住める部屋が完成すること。
今回のSさん夫婦も、迷いながら少しずつ選択を重ね、お二人らしい暮らしを手に入れたのでした。
リノベ前のストーリー
長年の物件探しの末、たどり着いたのは中古リノベ
リノベーションを決めるまでに約2年間もの間、ほぼ毎週末は家探しの内覧に行っていたというお二人。
もともと7年近く恵比寿エリアにお住まいで、仕事関係の利便性もよく、周辺で物件探しをしていました。相談した不動産屋さんも賃貸で住まわれていた場所からすぐそこ。
物件が決まる頃にはこの辺りのマンションはほとんど内覧したのでは?というほど、詳しくなっていたそう。
「新築で探していたけど、自分の希望の規模感と中身が紐付かなくて。中古マンションも見たけど、価格が落ちても次は中身が紐付いていかず……。それで、何軒かまわったときにリノベ済みのマンションにあたったんですね。そのときにリノベしてみれば!?という発想になりました」と旦那様。
リノベを視野にいれながら内覧を続けていたときに出会った今回のお部屋。お近くに住まわれていたことで、「外観がおもしろいなあ」と感じていた場所でした。
丁度、部屋が売りに出たタイミングを狙うことができ、リノベ向きであるかを判断したところで購入を決定されたそう。
2年に及ぶ物件探しも、一度落ち着くことになったのでした。
こだわりポイント
細部をないがしろにしないこと
マンションリノベの定番ともいえる、3LDKからリビングを広々と確保して2LDKにするプランを採用したお二人。
お二人とも「リノベーションって、壁紙やフローリングを張り替えるぐらいでしょう?」と思っていたからこそ、相談段階で壁を抜いてプランごと作り変えられることや、水回りまで動かせることに驚きの連続だったそう。
広々と確保したLDKは落ち着きと高級感満載の空間になりました。特に目を引くのは、お二人が何度も何度もショール-ムに足を運んで選びぬいた、シックな印象の黒いオープンキッチン。このキッチンがあるからこそ、一般的な物件のリビングにはないような個性が生まれました。深い茶色の床材とも抜群のコンビネーションをみせています。
お二人のリノベのポイントは、細部への絶妙なこだわりにあります。
たとえば、深い茶色が落ち着きを演出するフローリング。
こだわり抜いて選んだものの、一度床に張ってから一部を剥がして張り直しをしています。当初はランダムに張った床材ですが、「もうすこし落ち着いた雰囲気を想像していた」という希望もあり、パターンの中でもより深い色が出る板を家具などを置かない箇所に集めて、配置を並び替えました。
「これをやっておいてよかった〜!」とお二人からも安堵の声を聞くことができました。
床や壁などは家の中でも面積が広く、部屋の印象を左右するポイント。引き渡し期間が延びるなどのことがあっても、妥協しないことが大切です。
もうひとつ、こだわったポイントとして思い出されたのは、トイレのペーパーホルダーの位置。
既存の便器を利用しながらも、空間自体は広くとって洗面や収納を新設したトイレ空間。その際にどうしても便器と壁の距離が空いてしまい、ペーパーホルダーも遠くなってしまうことに…。
そこで小さな木材を壁とホルダーの間に入れ込んで快適さを追求しました。
実際に座ってみて、手の届きやすい範囲であるかどうかを2〜3cm単位で調整する場面もあったそう。旦那様も「トイレはそうとうやっていただきましたね!?」と振り返るほどなのでした。
同じように照明や床暖房のスイッチを取り付ける位置も2〜3cm単位で調整することで、生活のしやすさに関わる生活動線を整えてゆきました。
洗面所の棚は、節約もかねたアレンジを実現しました。
もともとは一昔前に定番だった中身が見えるタイプのガラス戸棚。それを丸ごと取り替えるのではなく、ガラスを抜いてから木材をはめ込んで新しいシートを張りつけ。ミニマムなデザインの取っ手を合わせて完成です。
リフォームではほとんどない手法ですが、少しの工夫とアイデアを形にすることができるリノベーションならではの隠し味的なやり方なのです。
思い出話
Qumaとリノベの思い出語り
Quma 全部納得して進めさせていただいていたので、よかったですね。
キッチンも妥協なしで、すごく広々しているし。
旦那様 ほんとに使いやすいですね。
Quma お家でご飯食べることは、どのぐらいあるんですか?
旦那様 土日は家で食べますね。
Quma 料理します?
旦那様 します!餃子とかですね。
Quma 意外かも…。(笑)
旦那様 テレビ見ながらつくれることを理想形で考えてたので、いいですね。
奥様 物も運びやすいのがいいです!
Quma オープンキッチンだと料理を作って出来上がったら、すぐにテーブルに持ってこれますもんね。
あとは、普通のキッチンから天板を広げているからリビング側に収納力もある。料理道具だけじゃなくても、色々と片付けられますね。
旦那様 決めるまでに、けっこう色々見ましたね〜
Quma 床材を持ってショールームに行きましたね…!一緒に楽しませていただきました。
旦那様 色の組み合わせだと思ったんで、単体だけじゃ決められないって思って。床材と合わせながら見ましたね。
Quma モデルによっては、あのショールームにしかない!っていう場合があるんですよね。
旦那様 どっかのモノレールまで乗って行ったなあ、立川だっけ…!?そこまで行って確認して。
Quma ほんとうに候補は全部見られたんですね…!
旦那様 はい。そんなに、こういう人っていらっしゃらないんですかね?
Quma そうですね。ショールーム1回行ってみたりとかは全然あるんですけど、大体全部一緒かなあ、ってなるんですよね。
そんなに変わらないよね、みたいな感じで一段落することは多いです。本当に人それぞれですね。
旦那様 冊子とか見て、これでお願いします!みたいな??
考えられない…!
奥様 コンセントだけ見に行くのも行ったね(笑)
旦那様 毎週末行ってた(笑)
Quma もう誰かのリノベの相談乗れそうですもんね。
旦那様 そうですね。
祖父が建築士で、高校のときに一瞬そっちの道に進むか悩んだときがあったりして。
理系だからやめちゃったけど、家作るの楽しいっていう気持ちはあるのかもしれないです。
Quma そうだったんですね、初耳。
じゃあ2軒目も!?
旦那様 いやっ!
奥様 旦那は次の話をよくしてます!(笑)
旦那様 わはは(笑)ばれたー!
その後の暮らし
やっぱり、何度でもリノベしたい。
初めてのリノベを経験した方の多くが口にすること、それは「もう一回!」という声。
S様も例外なく、「もう一回!」との声をいただきました。「もはや、あと10回ぐらい!」と楽しげな答えにスタッフもニヤリ。その度に、リノベ業界への転職もすすめるQumaスタッフなのでした。
住み始めてからのエピソードをお伺いすると、「親が来たときに、キッチンおしゃれだから変な料理つくれないね〜って言ってましたね(笑)」と奥様。楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
取材時にはまだ家具も揃っていない状態。それはもちろん、おふたりが家具もじっくりひとつずつ選んでいるから。近くの家具屋のお話が弾むQumaスタッフとS様なのでした。